新型コロナウイルスに感染すると嗅覚障害になると言われています。実際に、ニュース報道や新聞、インターネットでも新型コロナウイルスによる嗅覚障害について取り上げられています。
嗅覚障害は、新型コロナウイルスが治った後にも再発することもあるため、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コロナ後遺症で嗅覚障害になった場合の症状や期間について実例を交えて解説。嗅覚障害を改善するための方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
嗅覚障害になるとどうなる?
嗅覚障害の原因で多いのは亜鉛不足だと言われていますが、新型コロナウイルスの後遺症でも嗅覚障害になることがあります。
嗅覚障害になると、次のような症状に悩まされます。
- すべて同じような臭いに感じる
- 今までとは違ったにおいを感じるようになった
- 分かる臭いと分からない臭いがある
- 臭いを感じづらい
また、嗅覚の異常で風味が分かりづらくなると、味覚障害につながる場合もあります。
新型コロナウイルス後遺症における味覚障害について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
関連記事:新型コロナ後遺症の味覚障害はどれくらい続く?点鼻で行う治療法を解説
コロナ後遺症による嗅覚障害に関するデータ
ここでは、厚生労働省や国立国際医療研究センターが発表したコロナ後遺症に関するデータをご紹介します。
味覚・嗅覚障害は全体の約10%(注1)
2021年1月1日~2021年7月22日の厚生労働省の感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)では、新型コロナウイルス感染後の後遺症のデータを確認できます。それによると、味覚・嗅覚障害になる人は全体の約10%であることが分かります。
また、65歳未満の感染者は65歳以上よりも嗅覚・味覚障害になりやすく、65歳以上が3.8%だったのに対し、65歳未満は13.4%という結果になりました。
1年後まで嗅覚障害が残るのは約1%(注2)
2020年2月から2021年3月の国立国際医療研究センターのデータによると、半年後まで嗅覚障害が残る人は全体の7.6%で、1年後まで残る人は1.1%だと示されています。
一方で味覚障害については、半年後まで症状が残った人が3.0%で、1年後まで残った人は0.4%でした。つまり味覚障害よりも、嗅覚障害の方が治りづらいと言えます。
次に、嗅覚障害の実例について見ていきましょう。
コロナの後遺症で嗅覚障害になった事例
国立国際医療研究センターの調べによると、嗅覚・味覚障害が起きやすいのは、若いやせ形の女性です。
ここでは、若年層の女性における嗅覚障害の実例をご紹介します。
コーヒーのにおいがなくなった
大阪府内に住む30代の女性によると、38度の高熱が出た日を境に嗅覚に異常が見られるようになったようです。
具体的には、コーヒーのにおいが分からなくなるなどの症状に見舞われました。その後、嗅覚の異常は徐々に回復したため、本人も安心したと言います。
しかし、感染から1ヶ月後に再びコーヒーのにおいが分からなくなりました。ご本人は、「若い世代を中心に軽症で終わらない怖さを知ってほしい」と訴えているようです。
お肉を食べていたら、臭いと感じた
埼玉県に住む19歳の女子大生は、11か月間にわたって嗅覚障害に苦しんでいるそうです。
39度の発熱と、咳や息苦しさがあり、9日間入院したとのこと。退院から2か月後に、お肉を食べていたところ、異臭を感じたそうです。
「排ガスの中でご飯を食べているような感じ」だと表現しています。
甘いのはわかるが、味がしない
新型コロナウイスルに感染した女性は、感染がきっかけで風味障害を患い、食べているものの味が分からなくなりました。
「焼き芋などが甘いのはわかるけれども、味がしない」と語っています。またカレーを食べた際も、風味がないからおいしくないとも話されています。
つまり、嗅覚障害が起こると風味を感じなくなるため、味覚障害を併発する可能性もあるのです。
コロナ後遺症における嗅覚障害の治療法
コロナ後遺症における嗅覚障害は、自然に回復することも多いです。自然に回復をしない場合は、副鼻腔炎の疑いも考慮して、鼻の検査を受け嗅覚障害の原因を突き止めることも大切でしょう。
嗅覚障害の治療法には、嗅覚刺激療法と言われる方法があります。バラやレモン、ユーカリなどの香りを1日に2回、10秒以上嗅ぐことで少しずつ改善を目指す治療法です。
また、その他にも再生医療の技術で精製されたヒト乳歯歯髄幹細胞上清液を点鼻する方法もあります。上清液に含まれるサイトカインを利用して、炎症を抑える治療法で当院で受けられます。
嗅覚障害にお困りの場合はスマートクリニック東京へ
コロナ後遺症における嗅覚障害は、自然治癒する場合もある反面、長期間に渡り日常に支障をきたし悩み続けている方も多いです。
コロナ後遺症の嗅覚障害で悩んでいる方は、点鼻で受けられるサイトカイン療法を受けてみてはいかがでしょうか。
スマートクリニック東京で行うサイトカイン療法は、ヒト乳歯歯髄幹細胞上清液に含まれるサイトカインを鼻から投入して嗅覚障害を改善へと導く治療法です。
嗅覚異常を含むコロナ後遺症の原因は、免疫異常で起こるサイトカインストームだと言われています。(注3)
サイトカイン療法は、炎症性のサイトカインを再生性へと変換して免疫異常による嗅覚障害を改善へと導く方法でもあります。嗅覚障害でお困りの場合は、スマートクリニック東京にご相談ください。
(参考)
注1:資料2ー5HER-SYSデータに基づく報告 |厚生労働省
注2:Risk factors associated with development and persistence of long COVID
注3:新型コロナウイルス感染症後遺症について|COVID-19有識者会議
記事監修

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東京慈恵会医科大学卒。
慶應義塾大学での勤務を経て、株式会社ZAIKEN設立。
臨床、訪問診療、企業活動など様々な分野に従事。
2020年よりスマートクリニック東京院長。